JETRO – 国営石油会社ペトロブラスは2月27日、2018年の決算を発表した。純利益は257億7,900万レアル(約7,733億7,000万円、1レアル=約30円)と、5年ぶりの黒字となった。国際的な原油価格の低下、2016年までの労働者党政権時代の汚職問題や過剰投資などの要因から、同社の財政状況は悪化していたが、経営の立て直しに注力してきた。

決算内容によると、純利益が前年の4億4,600万レアルの赤字から黒字に転換した点に加え、純債務の利払い前・税引き前・減価償却前利益、いわゆるEBITDA(1,148億5,200万レアル)に対する比率が2018年末時点で2.34以下となり、目標としていた2.5を下回る水準となった。2018年の純債務は694億ドルと、2015年の1,004億ドルから着実に減少している。同社の資料によると、2018年のブレント原油価格は71ドルと前年の54ドルから大きく上昇し、燃料など国内向け石油派生品価格の引き上げ、資産売却や事務的経費の削減、利払いの低下といった要因が同社の財務指標改善に貢献したとされる。

同社による石油・天然ガス生産量は2018年に日量263万バレル(うち海外が10万バレル)で、前年比5%減だった。減少の理由として、既存油田の売却を挙げている。一方で、プレソルト(岩塩層下)油田の生産量は日量175万バレルで前年比9%増、さらに、2月までに6つの新たなFPSO(浮体式石油ガス生産貯蔵積出設備)による採掘・生産システムが稼働しており、さらなる生産量増加が期待されている。2019年には第6回プレソルト石油鉱区入札が予定されており、鉱区開発に向けた投資で2019年は14億ドルと、前年の5億ドルから増加させる方針だ。